基礎から実技まで専門知識を学ぶ

鍼灸師

鍼灸師は鍼や灸を使って治療をおこなう医療技術職です。自然治癒力を高めることで病気を予防したり、治療したりする仕事ですが、今この資格取得を目指して学校に通う人が増えています。正しくは、「はり師」「きゅう師」というそれぞれ別の国家資格であることは知っておきましょう。両方受験する希望者が多いため、学校では両方のカリキュラムを用意しているところが多いです。安全性に関しては、乳児や高齢者、妊産婦が施術を受けている歴史から信頼性があると言えます。近年欧米諸国の医療関係者からも注目されていることもあり、年々資格取得を目指す人が増えています。学校で受けられるカリキュラムの詳細は学校ごとに異なりますが、おおむね1年間で基礎を学び、2年次から実技と実習、トータル3年で卒業となります。医療技術職ですので、現場で安全に施術をおこなうための座学も非常に重要です。実技は人体構造を理解し、安全で正確な施術ができるよう学びます。もちろん医療器具の取り扱いも厳しく身につけるカリキュラムになっており、西洋医学の領域にも触れつつ幅広く対応力を学んでいくのが一般的です。卒業前は国家試験へ向けた準備がメインとなり、模擬テストや実技などをおこないます。

活躍分野が広がっている職業

鍼治療

鍼灸師の学校に注目が集まっている理由は、先にも述べたように、世界各国で認められてきた医療技術に携われるという理由ももちろんあります。ただそれだけでなく、近年では医療分野を超えてスポーツ分野や美容分野で活躍する鍼灸師が増えたことも挙げられるでしょう。これまでは国家資格を取得したあと、ほとんどのケースで鍼灸院などで働くのが一般的でしたが、現在はスポーツジムやエステティックサロンで働くという選択肢も増えてきました。もちろん経験を積んで独立開業するという夢もありますが、これからは開業するとしても、美容やスポーツに特化した新しい鍼灸院の在り方を探っていく夢も増えそうです。スポーツトレーナー、企業、研究機関など、現在ではたくさんの活躍フィールドが用意されています。また東洋医学ならではの奥深さを研究し、ダイエットやリラクゼーションなど、さらに新しいジャンルを開拓することもできるでしょう。こうしたことから学校でしっかり学び、資格取得を目指す人が増えているのは納得できることです。未来に可能性が拓けているからこそ挑戦しようとする人たちが多く登場し、活気ある市場になっています。